biwahoushi2012-07-26

 7月23〜31日の約一週間、快速 「南房総」号が運転されており、本日乗車してきた。
 ホーム上の発車案内は、通常の快速と区別なく表記されているため、困惑している乗客が目立った。また、列車の側面にある行き先表示も、「快 速」のみで、まるでミステリー列車のような雰囲気を漂わせていた。


 183系10連の団体臨時列車を撮るのも兼ねているため、保田で下車。
ホームに下りた瞬間、海と山の懐かしい匂いがした。空気が美味しく感じる。


 平日なので、指定を取らずとも座れるだろうと思っていたとおり、案の定余裕で座ることができた。
 お座敷電車としても利用されるだけあり「ニューなのはな」の座席は、広々としていた。普通乗車券のみで乗れるのは、なんだか忍びなく思える。車内設備やダイヤからして、急行と位置づけても申し分ない。
 それにしても、一般客への認知度が低いせいか、乗車率は宜しくない。宣伝効果によっては、人気列車になりうるだけに誠に残念である。


 海の真横を走る快速列車は、全車指定席にしないことで、よりお値打ちで手軽に乗れるため、地元の通学客でも利用することが可能となった。しかし、その一方で乗車マナーや観光風情が損なわれてしまうデメリットもあり、定期客と観光客との均衡を保つのが今後の課題と言えよう。


 上総湊〜竹岡間の、鉄橋は河口近くにあるため、海の上を渡っているような開放的な気分になり、内房線の中でもお気に入りの車窓である。
 旅のまとめとして、快速南房総号は、かつての房総夏ダイヤを彷彿させる列車であった。しかしながら、もはや一家で海水浴のみがレジャーではなくなり、時代の娯楽は多様化している。それに対応できず消えていった夏ダイヤに準じたところで、一般的には通用はしない。鉄路を残すためにも、早急に路線の方向性を確立させ、それに特化した車両や魅力ある沿線づくりを行わないと取り返しのつかないことになると、なぜ鉄道会社は気付かないのか疑問である。