実家での法事のため、電車で帰省した。今回は、ダブルブッキングしている職員旅行に途中参加する理由から、埼玉に引っ越して初めての鉄道による帰省である。
 当初、高速バス案も浮上していたが道路事情を勘案し、時間に正確な鉄道を利用することにした。しかし、一つ重大な難点があった。
それは、特急さざなみ1号(土・休日運休)ということである。

どうかしているZE\(^O^)/

 いくら利用者が少ないとは言え、観光立国を目指す千葉県が聞いて呆れてしまう現状だ。
 ため息しか出ない内房線のダイヤに目をつむり、外房特急わかしお号に乗ることにした。
 新宿さざなみ号を選ばず、京葉線経由の特急にしたわけは海浜幕張に停車するため、武蔵野線からの乗り換えが非常にスムーズだからである。但し、ホームが違うため、結局は階段を使わざるを得ないのが唯一の欠点。
 朝日を反射させながら、わかしお号が入線してきた。
 海浜幕張を発車し、最初の停車駅の蘇我まで車内改札は来なかった。車掌は乗務しているのだが、蘇我から乗せた客とまとめて見たいのだろう。怠慢な車掌は、客室の出入りする際の一礼はなく、つっけんどんな印象を受けた。
 わかしお号は、多少の振動を立てながらも軽快に房総を南下中。車内販売を期待していたのだが、見事に裏切られた。事前に食料はおろか朝食も済ませていなかったのだが凶となり、空腹の旅となった。
 大網、茂原、上総一ノ宮と徐々に乗客が少なくなり、大原を過ぎると、私が乗った2〜3組しか人の姿は見られなかった。特急の存続も時間の問題である。
 定刻に終点の安房鴨川へ着き、内房線に乗り換える。ホーム上の自販機で温かい飲み物を購入し、本日初めて口にできた。
 またしても、乗客がまばらな列車でさらに南下する。太海では、対向列車と交換待ち合わせ。踏切が鳴り、カーブの先から113系が現れる…わけもなく209系が、‘タタン・カタン’といかにも軽々しい音を立てて近づいてきた。本当に、房総から113系が消えてしまったのが信じ難い。
滞在時間わずか約5時間にて、館山を後にする。帰りは、高速バスで東京駅へ直行。理由は、前述のとおり伊豆で行われている職員旅行に合流するためだ。新幹線に、300系が充当されるとか、伊豆急ではリゾート21が来るとか、そんな神ががり的なことはなく普通に着いてしまった。