納涼まつり にて

biwahoushi2011-08-27

 今年の納涼祭でやきそばを焼きながら、ある人の笑顔が走馬灯のように駆け抜けた。

 去年の花火大会の後、仕事で活動に参加できなかった私をメンバーは温かく迎え入れ、自転車店の屋上で行われた地域の人々との宴会に招待して頂けた。町内会の話題だけで、話は尽きない。地域住民らの町を想う深さは計り知れないものであろう。郷土愛に満ちた店の主人を中心に、いつまでもこの町の発展を見守り支えてくれるものだと思った。
 しかし、その主人は今年の花火大会はおろか納涼祭にも姿はなかった。

 去年の宴会が最後のお別れとなってしまった。あまりにも突然すぎる最後だった。今もなお陣屋跡の前に立っていれば、「暑いのにご苦労さん」と言いながらそこの道を通るような気もする。
 まだまだ聞いておきたいことは山ほどあったが、もう主人からは何も聞けない。だが、僕の心の中には、去年のあの日、ビール片手に語っていた主人の笑顔が昨日のことのように忘れられずある。